第40章 立夏の約束事
椛「ねえ、零?」
降谷「ん? 何だい?」
椛「昨晩話せなかったけど、黒田さんから連絡来たよ?
零の正体がFBIに割れた事。」
降谷「あぁ…」
椛「あと、『沖矢昴』の情報求むって。
零と協力しろって。」
降谷「その件について、俺も椛と話さなければならないと思っていた。」
食器の片付けが終わり、淹れた紅茶を持って2人、ソファへ移動する。
ソファの前に置かれたローテーブルに紅茶を置くと、2人並んでソファの腰かけた。
降谷「まず、『沖矢昴』という人物は存在しない。」
椛「存在しない?」
降谷「あぁ、戸籍が無いんだ。」
椛「そんな…」
降谷「あれは仮の姿だ。
先日、正体を暴こうと奴の仮住まいに赴き、接触したが…
今回は奴らに煙に巻かれた。
…俺の推理が正しければ、今回俺が接触した『沖矢昴』はいつもの『沖矢昴』ではない。
誰かが協力し、別の人物が演じてたんだ。
証拠は持ち帰えれなかったが…」
椛(すごい…
流石、零…
全部合ってる…)
現段階で、『実は2階にいて一部始終見てました』とは言えない為、黙って彼の話に合わせながら耳を傾ける。
降谷「別の人物が演じていたかどうか、また次の機会にあの男に接触すれば確定するだろう。
男は骨格にそれぞれ特徴があるからな。
前回のあの感じだと、似せてきたのは顔の部分だけだろうと思う。」