第40章 立夏の約束事
少し拗ねた様な表情を浮かべる彼を横目に、仕上がったお味噌汁を盛る。
そして、ふと思い出した様に、一つ気になっていた事を確認しようと、彼に再び声をかけた。
椛「ねぇねぇ零〜?」
降谷「ん? なんだい?」
椛「私、目、覚めたとき、零にキスしたんだけど…
気づいた?」
焼き魚の盛り付けしていた彼の手が一瞬、ピタリと止まる。
一応記憶を探っている様だったが…
降谷「…いや、気づかなかった…」
椛「本当に!?
やっぱり!?
い〜よっし!!」
彼の返答に、嬉しそうにターンをし、ガッツポーズを決める椛の姿に、少し怪訝な表情を向けた。
降谷「…なんでそんなに嬉しそうなんだ?」
椛「『公安の寝込みにキスするの巻』任務成功〜!」
降谷(何だそれ…
妙な作戦タイトルつけられてる…)ジト目
降谷「キスされていたのは嬉しいけど…
なんか悔しい気持ちも半分なんだが…」
椛「あはははは〜!!」
喜びを隠そうとしない彼女と、なんだか負けた気がする彼。
特に勝負事をしていた筈では無いが…
負けず嫌いの血が、反応したのだろうか…
降谷「…キスするなら、俺が起きている時にしてくれよ…」
椛「えっ?
起きてる時はもう十分してるでしょw」