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ゼロの協力者 【名探偵コナン】

第40章 立夏の約束事



椛「零?
私も抱きしめたいから、顔を見せて?」

彼女の言葉に、腕を緩めると、後ろから覗き込む様に顔を覗かせてくる。

そこには少し眉を下げて、困った様な…
それでいて甘えて来る様な、複雑な表情をしている彼の姿があった。
 

椛「?
零……
どうしたの?
…何かあった?」


頭を撫ぜていた手を、彼の頬に移動して頬を包み込む様に撫ぜる。

そんな彼女の小さな手を包む様に、彼の手が上から被せられた。


降谷「…今朝」

椛「今朝?」

降谷「目が覚めたら…」

椛「うん?」

降谷「椛が隣にいなくて、寂しかった…」

椛「…えっ…」

まるで捨てられた子犬の様な表情で、朝からそんな事を訴えて来る。
そしてこの表情…
椛の記憶が正しければ、お目にかかるのは確か2回目だ。


椛(そうだ…
前に…
知り合ってまだ間もない頃…
車の中で見た事あるな…)
 

駅まで送ってもらった帰り道…
もう随分と昔の様に感じるが、あの時の表情とやり取りは、なんだか忘れる事が出来なかった。
 

椛(そうだ…あの時…
彼の中の孤独を強く感じたんだ…
私は…)


彼の微妙な表情の変化を注視する事は、協力者として、黒田からの指示もあっての事ではあったが…

既にあの頃、心が惹かれて始めていたし…
彼の表情の変化に、余計に敏感になっていたといたと言う所も、あったかも知れない…


 

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