第39章 嘘つきと正義
そのまま説明を追加で求められるのかと思いきや、突っ込んでこず…
細かい説明を入れなかったのにも関わらず、思いの外すぐに納得した様子の梓。
もっと事細かくツッコミを入れてくると思っていた椛は、そんな梓の姿に少し拍子抜けをする。
梓「きっとその時の椛さんがイケメンだったから、惚れちゃった訳ですね!
女子高生達は!!」
まるで何かの決めポーズの様にビシッと指を刺して、椛の方に向き直った。
椛「イケメンって…
そんな要素全く無いけど…
そもそも女だし。」
梓「いやいや、そーゆー事じゃ無いんですよ!!
私には分かります!!
前にチーズ屋さんの一件、私見てますからね!!
あの時の椛さん、カッコよかったですもん!!
きっと、女子高生達がいた時も近しい事があったんでしょう!!
それだったらしょうがない!
納得です!」
その後も持論を喋り続ける梓の様子に、助け舟を出してもらおうと、椛は安室に視線を向ける。
かたや安室の方はと言うと、彼女が褒められている事が嬉しかったのか、ニコニコと満足そうにその様子を眺めていた。
そして残りの客達もレジに向かって来たため、その場を譲り椛はカウンター席に戻ってくると、自身のパソコンの片付けを始めた。
そして全ての客が退店すると、安室は椛に車の鍵を手渡して来る。