第39章 嘘つきと正義
てっきり安室から梓に話が入っていたと思っていたが、どうやら違った様だ。
椛はチラッと安室に目を向けると、少し困ったように微笑み…
安室「僕も実際現場に居たわけでは無いし、直接見て居たわけでは無いので。
椛さんから説明受けた方が、良いかなと思ったんですよ。」
梓「ほらねっ!
安室さんはあんな感じですよ!
何があったんですか!?
仲間外れにしないで、私にも教えて下さいよぉ!!」
椛「仲間外れって…w
そんなつもりは無かったんだけどな…」
梓「それで?それで?
あの女子高生2人と、何があったんです?」
グイグイと距離を詰めてくる梓に対して、椛は両手を前に差し出して宥める。
それでも興奮した様子の梓は、一歩も引く様子は見られない。
椛「あぁ〜…
いや、そんな大したことじゃ無いんだけどな…」
梓「じゃあどんな事ですかぁ?」
椛「ショッピングモールで買い物してた時、事件に巻き込まれて…」
梓「巻き込まれて〜?」
椛「そこに偶然居合わせた2人を犯人からちょっとだけ庇ったのと、人手が足り無かったから2人にその後、手伝ってもらっただけだよ…」
梓「手伝ってもらったって?何をです?」
椛「人質に取られた妊婦さんが産気づいちゃって…
そのお姉さんの手助けをするのを、2人に手伝ってもらったのよ。」
梓「えっ?妊婦さん??
産気づいたって、出産に立ち会ったって事ですか?」
椛「まぁ、そんな感じかな…」
梓「ははぁ〜ん♪
なるほどねぇ〜…」