第39章 嘘つきと正義
結局、席には座らずにそのまま店から出て行った。
そんなコナンの様子を、少し不思議そうに見て居たのは梓で…
梓「どうしたんだろう、コナン君…
結局何しにお店に来たんだろ?」
一言疑問を漏らすが、そんなに深くは考えて居ないのだろう。
それ以上は特に追求せずに、仕事に戻って行った。
安室「コナン君と、何かあったのですか?」
カウンター席に座る椛に近づくと、彼女だけに聞こえる様に小声で話しかけた。
先程のコナンの表情の変化に、違和感を感じたのだろう。
椛「あったと言えばあったし、無かったといえば無かったとも言えます。」
彼女の言葉を聞いて、真剣な表情に切り替わる。
その彼の表情は、他の客からは見えないだろうが、ポアロの店内で見せている安室透ではなく、本来の彼の方の表情に見えた。
椛「2人になった時に話します♪」
そんな彼の表情を緩めたくて、最後は軽く微笑みを傾けて語尾を締めた。
安室「そうですか…分かりました。
椛さんの時間が大丈夫なら、ポアロの閉店作業が終わったら送って行きたいのですが…
お時間どうでしょう?」
椛「安室さんの時間が大丈夫なら、是非♪」
安室「そうですか、それは良かった♪」
満足そうに微笑むと、カウンターの中に戻って行った。
その様子を見届けると、椛も再びパソコンに向き合う。
出来ればポアロにいる間に、今日やらなきゃいけない事務作業は終わらせてから、ここを出たい。
先程までより、パソコンに向かって真剣な表情を向ける椛の様子に、作業に集中していると安室も梓も気を遣ったのか、いつもの様に軽く話しかけてくる事はその後、無かった。