第39章 嘘つきと正義
片付けが終わってカウンター内に戻ってくると、先程は広げてなかったパソコンを広げて、画面と向き合う彼女の姿があった。
作業の邪魔をしては悪いと思い、様子を見て控えめに声をかける。
安室「…椛さん?」
椛「はい、何でしょう?」
キリの良い所まで打ち終わると、パソコンから目を離し、声の主に視線を移す。
安室「中々連絡も取れず、会いにも行けずすみません。」
椛「いえ、お仕事忙しいのでしょう?
仕方の無い事です。」
安室「…椛さん?」
椛「はい。」
安室「今日、会いに来てくれて…
嬉しかったです。
椛さんの顔が見れて…癒されました。」
普段の安室よりは少し疲れた表情だが、そこにはいつも2人でいる時に見せる、自然な彼本来の微笑みがあった。
その笑みに合わせる様に微笑み返すと、満足そうに笑みを深める彼の姿。
そんな中、奥にいたテーブル席の客が帰る様で、レジに向かって歩いてくる。
安室は接客に戻り、椛もパソコンに再び目を向けた。
会計を済ませて、レジを閉じ客を見送ると、再び入店を知らせるドアベルが鳴った。
安室「いらっしゃいませ〜…」
新たに入店してきた人物は、そのまま入り口で立ち尽くす。
そして一言、目の前にいる安室に一声かけた。
コナン「ウソつき…」
その言葉に、安室は小さく含み笑いを返すと…
安室「君に言われたくは無いさ…」