第39章 嘘つきと正義
カランカラカラーン♪
安室「いらっしゃいま〜…!?
椛さん!」
椛「安室さん、こんにちは♪」
ポアロに来ると連絡していなかったため、少し驚かしてしまったのだろうか。
カウンターから出てくると、少し驚いた表情をして椛の方に近づいてきた。
安室「急にどうしたんですか?
…何かあったんですか?」
昨日の今日だからだろうか…
『何かあったのか』と、突然お店にやってきた彼女を心配する様な表情を浮かべている。
椛「安室さんの顔が見たくて…
会いに来てしまいました♪」
目の前まで来た彼を見上げると、そんな心情を察し、彼を安心させたくて、素直に心内を打ち明けてみる。
安室「そう、でしたか…」
彼女の言葉にホッとした様な表情を浮かべると、カフェのウェイターとは思えぬ仕草でエスコートし、カウンター席に通す。
閉店まで後1時間程だと言うのに、店内は8割方席が埋まっていた。
しかし、客は常連さんが多いのだろうか…
会話はあちこちで聞こえて居ても、落ち着いた空気感が店内には流れていた。
安室「紅茶にしますか?」
椛「はい、それでお願いします。」
荷物を置いてカウンター席に着くと、カウンターに入って行く安室の姿を目で追う。
そして、外にでも行って居たのだろうか。
バックヤードからエプロンの紐を結びながら、梓が出てきた。