第39章 嘘つきと正義
椛「…分かりました。
…では、その様にします。
…はい
…はい
…分かりました。
また連絡します。
…はい…
…失礼します。」
椛(ふう~…
なるほどね…
…どうしようかな。
どこまで話そう…)
本日予定していたセミナー講師の仕事が終わり、人気のないところで黒田からの電話に答えていた。
昨晩、FBI側にバーボンの正体がバレた事の情報共有と、それを踏まえた追加の椛への指示連絡だった。
椛(後で一度、電話にするか?
けど、昨日の今日だし…
なんか、零の顔、見たいんだよな〜)
先程の黒田の話によると、今日、降谷は朝まで公安の方にいたが、そのまま午後からポアロの方に出勤していったとの事だった。
椛(それって、仮眠すらしてないんじゃ…)
知り合ってから、今の今までの彼の様子を見ていると、
『この人、一体いつ寝ているのだろう?
タイムスケジュールどうなってるの?』
と疑念が定期的に頭に浮かぶ。
椛(いくら20代で、タフだからと言っても、そのうちどこかガタ来るんじゃないか…)
結局、椛はそのまま家路にはつかずに、ポアロに足を進める。
椛(仕事帰りでパソコンもあるし、今日はポアロでお茶をしながら、事務作業終わらせちゃおう♪)
今朝早く、車で通りかかったときは人出が無かったポアロに続くこの道も、丁度学生の帰宅時間なのだろう。
ランドセル姿の小学生や、制服姿の学生さんたちの姿が目に付いた。