第38章 緋色の実情
赤井「…敵だとはもう大分前から思っていないし、それに関しては椛が自分から話してくれるのを、持つ事にしている。」
椛「秀一は一度決めた事に関しては、意志が固そうというか…
強いよね。」
赤井「…そんなこともないさ。」
間接照明と月明かりだけが差し込む室内は薄暗く、すべての物が昼間のように、はっきり見えるわけでは無いが…
最後は少しこちらに向けて、はにかんだ様な表情に見えた。
椛「これを機に、秀一と安室さん、手を組んだりしないの?」
赤井「…?」
椛「2人が組めば、組織の壊滅も大分近づくだろうし…
早まる気がするんだけど。」
赤井「なるほど…
椛にはそう見えているのか」
椛「?
どう言う事?」
赤井「俺と安室君はそんなに良い関係性では…
ない。」
椛「?
組織にいるとき、よく一緒に行動してたって前に言ってなかった?」
赤井「それはそう上から指示があってしたものだ。
当時から俺たちはあまり…
折が合わない。」
椛「えっ?
そうなの?
ちょっと意外…」
赤井「あの頃は間に入って、取り持ってくれていたスコッチがいたからな。
彼が楔になっていてくれていたからこそ、俺たち3人は成り立っていた関係だよ。」
椛「…そう…だったんだ。」
椛(ヒロ君…)