第1章 イライ・クラーク 〜催眠〜
《夜》
「イライ、来たよ」
例の通りまたノックもせずに入って来る。
私にはもう拒絶する気は無く、ただこれから出来る行為の方に意識が行ってしまっていた。
「おや、私を見ただけでそれかい?まるでパブロフの犬だね」
そう言いながら愛おしげに私の股間を撫でる。
『……良いから』
出来る限りの理性を利かせ、を布団に座らせる。
「ふふ、楽しみだね。催眠をかけられると分かっていながらかかりに行くのも変な話だね」
嬉しそうに喋るを無視し、深呼吸を促す。
『……息を深く吸って、吐いて…リラックスして』
するとはびっくりするほど静かになり、指示に従い始めた。
本当に欲に従順なのだなと感心する事しか出来なかった。
『私の目を見て』
の綺麗な目が、真っ直ぐ私の目を見つめてくる。
人に自身の目を見るよう言うのは初めてでは無いが、の吸い込まれそうなほど美しい瞳に、逆にこちらが催眠にかかってしまうのではと思った。
『目を、ゆっくり閉じて』
閉じた瞬間、の身体から一気に力が抜け、布団に横たわった。
『……起き上がって』