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【第五人格】快楽至上主義

第6章 ハスター 〜触手〜


あれから2ヶ月、ずっとあの2人を避け続けている。

会ったとしてもきっと目を見て話すことは出来ないだろう。

なんと言っても気まずすぎる。

あの二人は今日は試合の日、庭園に来る事は無い。

今までは2人に会ったらどうしようと不安でずっとナワーブの部屋にこもっていた。

「はぁーあ……」

『どうした人の子よ』

後ろを向くと、いつの間にかハスターが立っていた。

「あぁ、ハスター……」

『美智子に、ため息をつくと幸せが逃げると聞いたぞ。悩みでもあるのか?』

まさか邪神様と話をする時が来るとは思わなんだ。

「いやぁ、少し悩み事がね。でも大した事じゃないよ、ありがとう」

『そうか?何かあったらいつでも言うが良いぞ』

「うん、ありがとう」

正直、私はハスターが苦手だ。

とても失礼だが、たくさんの足に底が見えない海のような不気味さのある顔が苦手だ。

あの顔は深淵というものか。

こちらを見つめ続けるハスターを見つめ返していると、いきなりこちらに歩き出してきた。

『…人の子』

「なんだい?」

顔を近付けられたと思うと、手で顎をくいと上げられた。

『今夜、我の部屋に来い』

それだけ言うと彼は庭園から出て行ってしまった。

……実質話すのは初めてなのにいきなり部屋に誘われるとは。何をされるか分かったものではない。

「…まぁ、行くか…」

庭園から出て、昼食を取りに行く。

どうせ今日も明日も予定は無い。暇なら少しくらい良いだろう。

「あの邪神様はやましい事とか考えないだろうし…何用だろう……?」
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