第4章 リッパー 〜睡眠姦〜
最初に見つけたのは囚人だった。普段なら運がいいとか思いながら追うが、今日に限っては運が悪い。
囚人を無視して、3枚板へと向かう。
どうせここにいるのは傭兵だろうと素通りしかけたが、黒いロングコートとカラスへ向かう後ろ姿が見え、ヘドニストだと分かった。
ある程度手加減をしつつ、不自然に思われないように吊らなくてはならない。
彼女が下手でなければいいのだが。
しかしチェイスが始まってみると、そんな心配は不必要だと分かる動きでいい感じに時間を稼がれた。
2回目の救助後、そのまま4人通電、3人脱出。
予定通りだが、一応悔しがる素振りを見せると、が
『残念だったねジャック』
と不敵な笑みを浮かべて言ってきた。
普段ならなんとも思わないが、今日はなんだかいつもと違う。調子がおかしい。
「私の今回の目的は貴女だけなのでいいですが」
負け犬の遠吠えとも言えそうなセリフを吐き、を襲う。
小さな体で抵抗する姿も可愛らしい。
アイツらは良いのに、私はダメなのか。そう考えると更に腹が立ってきた。
あくまで紳士的に。素を見せてはならない。
仮面を外し、に深いキスをする。出血多量と酸欠で目がとろんとしているのも可愛らしい。
これからは楽しめそうだ。