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【第五人格】快楽至上主義

第3章 ナワーブ・サベダー


「ふふ、ナワーブはいじめるよりいじめられる側かな……私は気持ち良ければなんでもいいからねぇ」

やりたいプレイを妄想し1人でニヤニヤしていると、ドアがノックされた。

「はい、どうぞ」

ドアが開いて、ナワーブが入ってくる。

今の時間は夜12時だ。彼がこんな時間まで起きているなんて珍しい。

「どうしたんだい、ナワーブ?怖い夢でも見たのかい?」

茶化すように言うが、返事が無い。

「ナワーブ?」

近付いて頬に触れてみる。その瞬間、ナワーブが倒れ込んだ。

「!?……大丈夫かい?」

手を握ると、物凄く冷たい。

『ごめん……こんな理由で会いに来れるの、お前しかいなくて…』

どうやら、茶化したつもりで言った悪夢は事実だったらしい。

「いや、良いんだよ。丁度今君のことを考えていてね」

君でいやらしい妄想をしていたとは死んでも言えない雰囲気だ。
しかし、ナワーブもこんなになるほどの悪夢を見ることがあるのか。少々驚いた。

布団に入り、毛布を持ち上げてナワーブに手招きをする。

「おいで、ナワーブ。今日は私が一緒に寝てあげよう」

そう言うとナワーブは安心したように布団に入り込んできた。

恋なんてものはしたことがないしこれからもする予定は無い。が、もし私が恋をするならナワーブの様な素直な男を選ぶ。

「ナワーブ、鼓動が早いね。怖かったね」

『………』

ナワーブがそう小さな声で呟き、強く抱き締めてくる。

「大丈夫、私はここに居るよ。君の悪夢なんて全て吹き飛ばしてしまおう」

『ありがと……』

そのまましばらく撫でていると、静かな寝息が聞こえてきた。

顔を覗き込んでみると、ナワーブの長いまつ毛が見えた。顔の造形が本当に良い。

どちらにせよ、こんな状態では何かするに出来ない。

「私も寝るか……」

ナワーブを抱きしめ直し、私は眠りについた。
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