第3章 ナワーブ・サベダー
…24時間後…
「はっ!?」
物凄い時間寝ているという感覚と頭痛の酷さで目を覚ますと、そこには見知らぬ天井があった。
「うわぁ、これ絶対また酒でやらかした……次はどんな事やらかしたんだろう……」
『俺の服にゲロかけたあと倒れて24時間寝込んでた』
声の方に目をやると、そこにはナワーブがいた。ならこの部屋はナワーブの部屋だろう。
「すまないね、ナワーブ…服をダメにしてしまって」
『んや、洗ったら綺麗になったしいいよ』
そういえば、ずっとチェシャ服を着たナワーブばかり見ていたから、初期?衣装を見るのは数ヶ月ぶりかもしれない。
「ナワーブ、その服、もしかして私がゲロかけたせい……?」
『…?あぁ、別に、私服だけど』
「ん?」
ナワーブは数ヶ月くらいずっとチェシャ服を着てたのに、私服は初期衣装?
じゃあ私やエミリーやエマみたいにずっと初期衣装を着ていれば良いのに、どうしてチェシャ服を着てたんだろう?面倒くさくないのか?
「ナワーブはなんでずっとチェシャ服着てたの?」
そう聞くと、ナワーブはぽかんとした後ため息をついた。
「え、何」
『お前が、あの服好きだからずっと着てって言うから着てたのに、忘れてたのかよ…』
確かになんかそんなことを言った記憶がある。成人男性がケモ耳を付けている姿に激萌えしてたからだった気が……。
思い出したら申し訳なさが出てきて項垂れていると、ナワーブがため息をついて頭を撫でてきた。
『なんか、少しの間しか関わってないけど、お前ってそういう奴だよなぁ』
「失礼な!今回はたまたま忘れていただけだよ!今もまだ好きなままだからこれからも着続けてくれて構わないよ?」
『へーへー』
適当に返事をしながら水を差し出してくるナワーブ。
それを受け取り、一気に飲み干す。さり気ない気遣いが出来る彼は中々魅力的な男性ではあると思う。
案外良いんじゃないか?
『なんか良からぬ事考えてないか?』
「お、よく分かったね」
ナワーブが身を守るように自分を抱くが、寝起きの私にそんな気は無い。
「心配しなくていいよ。また別の日に、ね」
『いや心配だろ』
「ふふ。介抱ありがとうね」
若干困惑気味に言うナワーブを置いて部屋を出る。
さて、ヤると決めたらどうするか考えてしまおうか。