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箱庭世界の推しと私[kstr]

第4章 異世界生活


「そっか、散歩か……そうだったね〜、ハハハ」
 ない記憶を思い出した振りをしながら私はなんとか笑みを作る。カシタローさんは相変わらず優しく微笑むばかりだ。狐面で隠しているとはいえ、イケメンが溢れ過ぎている。カシタローさんの微笑みにころされそう……。
「今日はお家で休んでいるかい? 明日の学校の準備は、僕がして置くよ」
 そうだね、今日はここで休むよ……ってちょっと待って? 学校って何? 明日からカシタローさんと学校生活なの……?
「学校って、カシタローさんと行くの?」
「そうだよ?」
 私が聞くと、当たり前という顔をして答えを返すカシタローさん。イケメンと登校出来るなんて夢みたい! いや、多分夢だけど今はこの幸せな夢の中にずっといたい!
「そっか……じゃあ私は先に寝てるね」
 高まる感情を押さえつけて寝室へ向かおうとしたが……ちょっと待て待て。このゲームの仕様ってどうだったけ?
「あれ……ベットが一つしかない……?」
 寝室のど真ん中にあるふかふかそうなベット。それはダブルベットより大きなベットで……私は答えを知っていながらカシタローさんを振り向いた。
「いつも一緒に寝ていたんだよ、ユメ。そこも忘れちゃったんだね」
 ああああああああ。
 異世界生活も、そこまで楽ではないようです。
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