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箱庭世界の推しと私[kstr]

第15章 出発


 その後、カシタローさんと過ごした家を出て、チラシに示された地図の場所へ向かった。
 この世界はかなりあっさりとしていて(私が建物を置かなかったからだろうが)、可愛い信号を二つ渡った先の奥に向かった。
 そこはガラリと景色が変わり、未開の森へと道だけが続いていた。こんなところ、キセカエンにあったんだっけ、と地図を見てみてハッとした。もしかしてここ、箱庭世界の外なのでは。
 道を間違えたのでは、と一瞬振り向くも、ここまで来たのに帰るという選択が浮かばなかった。私は、帰ると決めたのだ。カシタローさんに、そう言ったから。
 そうして少し不安になりながら森の中を歩き続けていると、なんだか向こう側が騒がしくなってきた。見上げると突然森が開き、明るい草原にやって来ていた。
「こんなところがあったんだ……」
 と一人呟くと、向こうで一つの爆音が飛び込んだ。
「現実世界のォ、人間たちィ! 集まったかァ?!?!」
 まるでライブをしているかのような音声で耳を塞ぎたくなったが、どうやら私の目的地はすぐそこにあるということが分かった。
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