第11章 放課後
私は放課後、一人にして欲しいとカシタローさんに言い、公園をウロついていた。公園には、真ん中に噴水、端にブランコと滑り台があった。私はなんとなくブランコに腰を掛け、ピンク色の空を眺めた。まさしく女の子向けに作られたこのゲームの空は、ピンクか黄色をしていた。私は初期設定のままだったから、多分この世界も、昼間はピンクなのだと思う。
「私、現実世界に帰りたいのかな」
一人呟くと、虚しさが響いた。ここにいれば毎日カシタローさんに会えるし、周りのみんなは優しい。社畜の現実世界に戻りたいかと聞かれると、悩んでしまう。
「ん……?」
その時、ふと見やった草むらから、何か光るものを見えた気がした。ブランコから下りてなんとなく草むらを探してみると、虹色の丸い石を見つけた。私はすぐに分かった。
「ガチャ石だ」
こんなところにある石なのに、ついうっとりと眺めてしまう。これがガチャ中毒ってやつなのだろうか、なんて考えたりして、数秒。
私、決めた。
見つけたガチャ石を握りしめて、私は立ち上がった。