第16章 夜中の散歩
バスティンに、扉を少し開けてもらった事に気づかないりあなは食堂に入り、ロノが居ないことを確認する為に、辺りを見渡してからテーブルの下をタタタッと通って、厨房の中にある、テーブルの前に移動する。
後ろを振り向いて、誰も来てない事を確認してから、翼を羽ばたかせ空をとび、テーブルの上に降りるとリンゴを見つけ駆け寄っていく。
(やった!!リンゴあるじゃん♪♪ ロノとか、ベリアンとか、ルカスとか。。。来ないうちに。。。少し、少しだけ。。)
ピンクの猫が1口、また1口と、籠の中に入ってたリンゴをかじって食べて行く。
リンゴを半分位食べた時に、不意に厨房に来る足音が聞こえ、急いでテーブルの上から飛び降りて物陰に隠れるまりなであった。
数分後、足音の主が水を飲みにきたので、りあなは静かに息を潜めるのであった。
一方、夜中に喉が渇いたベリアンは、厨房へと入りコップに水を注ぎ始めるのだった。
足音の主が、ベリアンだとわかったりあなは、蛇口を捻り水を出してる今しか、移動出来ないと考え、タタタッと外へと通じる扉まで駆けて行くのであった。
ベリアンはと言うと、蛇口を捻り水を出し始めたタイミングで、足元を何かが駆けて行った事に気づき、後ろを振り返るも、その何かはもう居なくなっていたので、首を傾げるのであった。
ベリアンに気づかれなくてほっとしたりあなは、玄関の下にムーちゃん用の出入り扉をボスキが付けていたのを思い出し、鍵を前足で開けてそこから屋敷の外へと出るのであった。