第9章 猫天使様
【エスポワール 上空】
街を見下ろすりあなとアザゼルは、沢山の人たちの笑い声や、楽しそうに遊んで過ごす子ども達、貴族らしき人たち等、上空から見ても賑やかそうな街だなと考えていた。
アザゼルの羽が黒なのは悪魔の象徴だから仕方ないとはいえ。。
天使を狩る時位は、アザゼルの羽の色を自分と同じ白に変えようと思い、アザゼルの羽根に手をかざす。
暖かい光に包まれたかと思った途端に後ろが気になり、視線を向けると、自分の翼の色が黒ではなく、白に変わっていた。
アザゼル「!? 姫さん、何して!?」
「いいから、いいから♪♪」
そういうと、楽しそうにアザゼルの腕を掴んで、街に下降して行くのであった。
て、天使の翼を持った女と男?
こ、こいつらは、人間を襲う天使の仲間か!?
住人1「!?」
住人2「て、天使が現れたぞ!! みんな逃げろ!!」
住人3「こ、殺さないでくれ。。」
降り立った瞬間街は大パニックになってしまった。
それを見ていたりあなは、「まぁ、そうなるか」とあっけらかんとして笑っていた。
アザゼルは、自分の主が何をしたいのかが分からずりあなの横で困惑しているのであった。
何を思ったのか、りあなは1人の女性に近づいて行った。
女性「こ、来ないで。。ま、まだ、死にたくないのよ!!」
「大丈夫、うちもアルくんも、貴女達を護るいい天使だから。貴女は、天使の見た目をしてる悪魔に大切な人は奪われてるのかな?」
女性「う、嘘よ!! 私たちを護る天使がいるはずがないじゃない!! この子達だけは、殺さないで。。。(怯える)」
完全に怯えてる目を向けられても尚、りあなは、女性にも、その子どもの頭にも手を乗せ、優しく撫でるのであった。
「大丈夫。貴女の旦那さんはまだ死んでないよ。貴女の傍に返してあげるね。」
優しい声色で、なるべく怯えさせないように配慮しながら、りあなは女性と子どもの目を見て、頭を撫で少しでも安心させるのであった。
一部始終を聞いていた他の住人も、りあなとアザゼルの傍に近寄って来て、「本当に返してくれるのか?」や、「それが本当なら、貴女達は神天使様だ!」等と言われてりあなは、嬉しそうに笑顔になるのだった。