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異世界とアイドル【sn】

第3章 聖女の力





佐久間くんは図書室に阿部ちゃんを呼びに行き、私を連れてくるように頼まれたらしい。
照くんの私室へ向かっている途中で聞かされる。

部屋の扉は開いており、中に入ると他のメンバーも揃っていた。いつも食事する広い部屋とは違い、一人の私室にSnow Man全員が揃うとまた圧巻だ。
阿部ちゃんが私達が部屋に入ってくるのに気づくと、いつになく真面目な顔で私に手招きをした。
部屋のベッドで横になっている目を閉じている照くんは顔色はよくない。

「ごめんね、葵ちゃん。
照、朝から調子悪かったみたいで。この世界の誰かに助けを呼ぶ前に、葵ちゃんに頼らせてほしい。
俺は怪我とか病気じゃないと思うんだ」

そこで何故、阿部ちゃんが私を佐久間くんに探させたのか気づいた。気づいてしまった。
私の能力を試したいんだ。

「ど、どうしたら、いいですか?」
「とりあえず横で照の手を握ってくれる?」
「……」

うぐ。ですよねー…
手繋ぎ実験が成功したのか私には実感がない。けれど、試した阿部ちゃんには何か確信的なものを感じているようだ。

他のSnow Manのメンバーは何も言わずに私と阿部ちゃんのやりとりを見守っている。ふっかさんとしょっぴーは阿部ちゃんを見ながらコイツ、ナニ言ってんだ?みたいな顔になっている。
そりゃそうだ。
ナニ言ってんだ。阿部ちゃん!
医者呼べ!医者っ!
そんなことは言えるわけもなく、ベッドに横たわっている照くんの顔色が明らかに悪い。

ベッドサイドに置いてある椅子に座り、私は横たわった照くんへ手を伸ばした。
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