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異世界とアイドル【sn】

第3章 聖女の力



「本当に能力なんてわからないですもんね。
さ、さっきだって阿部ちゃんが私のチカラ調べるために手を繋いでみようってなって、すごく焦りました……」

康二くんの笑顔にドキドキしながら言った。

「ほんまぁ?阿部ちゃんそんなことやってたん?
やらし……手ー繋げばわかるん???」
「えっ?!あ、いえ、緊張してよくわからなかったです…」
「緊張しぃやね~
葵ちゃんは俺らのファンやんもんね?」
「うっ、あ……はい…」

会話しているだけでクラクラして倒れそうです。

「なら、俺もやってみればわかるんかな?
手ー繋いでみよか?」
「は…え、はっ!?」

突然の提案にどんどん語彙力が消える私。
ニコニコと笑顔になる康二くん。
あれ?なんかデジャヴ。笑顔って凶器だっけ?

「嫌では、ないよね?
せっかくやし、試してみよ」

近づいてくると、スッとごく自然に私の手を取った。
いや近い近い近い近いっっっ!!!
嫌じゃない!嫌なわけがないけどもっ!
これは駄目だ。ほんとに死んじゃう!!

自分の心臓がウルサイ。
絶対顔赤いし、震えてるし、また手の中が汗ばんできたし。

「俺ら一応アイドルやし?こーゆうこと仕事以外であんませんのやけど、葵ちゃんはセージョサマやし、チカラ調べなあかんからね。
あー……せやけど、なんか緊張移ってきたわ。俺、喋りすぎ?」
「あ、ええと…その」

テンパってろくな返事が出来ない。
康二くんは何故か握ってきた手を左右に揺らし始めるし、足も落ち着きなくパタパタと動かしている。
そっちから手を握ってきたのに、なんかモジモジしてない?いちいち可愛すぎか!



「葵ちゃーんっ!」

康二くんの手の温もりにヒィヒィしていると、遠くからすごいスピードで駆け寄ってくるピンクのフワフワ。
しかも私の名前を叫んでる。
え、これ。さっきも起こったよね?なんて奇跡。

「ナニイチャついとんじゃーっ!」
「なんやねんさっくん。ええとこやねん。
なんかわかる気がしてきたし」
「何がええとこやー!あ、関西弁移っちまった。
いや、邪魔はする気ないんだけど、それどころじゃねぇんだよ。
照が寝込んだ」
「!!!」
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