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異世界とアイドル【sn】

第2章 隠された力



「葵ちゃん、俺のファン?」
「えっ!?」
「ファンサとか言ってたから」
「あ、ああ…。
Snow Manの皆さん、好きですよ」
「なんだ……
いや、でもマジで嬉しい。本当にありがとう」

私も。異世界の人におねだりして大正解でした。
なんて言えず、ニヤける口元を手で隠した。

それからしばらく、使う順番や使用感などを説明した。私は美容に詳しいわけではないけれど、真剣に聞いてくれるしょっぴーに親近感がわいた。
電化製品のないのと、シャワーに石鹸しかないことを話すと愕然としていた。

「ヤバくない?マジ、ドライヤーないとか異世界人どうやって髪の毛乾かすの?
いや、俺はまだいいか。葵ちゃん、髪乾かすのめっちゃ大変だよね」
「そうなんですよ。これから部屋に戻って髪洗うのが憂鬱です…」
「もし、さ。俺が魔法覚えられたらまず一番先に髪の毛乾かす魔法覚えるわ。いや、あるか知らないけどね。
そうしたら俺が乾かしてあげるよ」

なにそれ天国?

「出来たら是非、お願いします」

嬉しくて思わず笑ってしまった。冗談言えるようだし、体調もきっと大丈夫だと思う。
説明も終わったし、しょっぴーと沢山話せた。
目が覚めたら夢でした。だとしても、満足できそうだ。

「お邪魔しました」
「…もう結構、夜遅いしさ。
おく…る。うん!部屋まで送るよ!」
「え、いや、大丈夫ですよ」

しょっぴーは怖がりだ。
廊下から顔を出すのにためらっていたのに、わざわざ部屋まで送るとか言ってくれて優しすぎる。

「そうゆうわけにも……
うーん。じゃあ誰か呼ぼう。
それなら俺も帰り一人じゃなくなるしさ」

一緒に部屋を出て、再び照くんの部屋に向かった。照くんは私達の顔を見ると頼む前から部屋を出てきてくれる。
しょっぴーと照くんに挟まれ、他愛もない会話を部屋に着くまで二人はしてくれた。
部屋に戻って一人になっても、まだ現実とは思えずぼんやりとしてしまう。
今日一日、ずっと夢のようだった。



眠くはないけれど、もう真夜中だ。
寝る準備をなんとか済ませ、ベッドに飛びこんだ。

…………夢ならずっと覚めなければいいのに。
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