第1章 青い監獄
「嫌だって言ってるじゃん。しつこいね、真琴ちゃんも」
『嫌ですよッ!なんでサッカー嫌いって言ってるのに私があの子たちの身の回りの世話とかサポートとかしなきゃいけないんですか!?辞めたいッッ!』
「はいはい。退職は認めないからね〜」
『鬼ッ!!鬼畜ッ!!』
喚きながら退職したい気持ちが大きすぎて涙がボロボロと溢れていく。
お兄ちゃんを恨めば良い、次お兄ちゃんに会ったら1回殴らせて欲しいけど怖いから辞めよう。
喚きながら退職したい気持ちが大きすぎて涙がボロボロと溢れていく。
お兄ちゃんを恨めば良い、次お兄ちゃんに会ったら1回殴らへて欲しいけど怖いから辞めよう。
「…これでもう後戻りはできない。これから私はあなたの言う通りに動きますので。日本サッカーとあの300人の未来、よろしくお願いします。絵心さん」
会場に入ってきたのアンリさんは少し緊張した面持ちでそう絵心さんにお願いした。
何とも背負いたくないものではあるが絵心さんは平然とした顔をしている。
メンタルが鋼過ぎると思う。
「…多分299名の人生はグチャグチャになる…。そして1人のストライカーが誕生する。それが“青い監獄(ブルーロック)”だ」
「……はい…」
「始めようか。アンリちゃん、真琴ちゃん。世界で一番フットボールの熱い場所を」
今から青い監獄では300名が競い合い蹴落とし合う。
そう考えるだけでイカれているという言葉しか出てこなかった。
自分の人生を今から滅茶苦茶にすると分かっているのだろうか…。
そんな場所で働きたくない。
嫌いなサッカーに人生を賭けようする子達を見たくないし、関わりたくもない。
今すぐ逃げ出したい。
『退職させてくださいよぉぉ…』
「すぐ泣くねぇ真琴ちゃんは。でも多分、退職したいとは思わなくなると思うけどねぇ」
『…それは無いと思います。私、サッカー嫌いなんで…。ていうかアンリさんと絵心さんだけで良いでしょ!?サッカード素人で知識もない人間なのに!!私!!』
「ただ、アイツらの身の回りの世話とかアシストとかするだけじゃん。知識なんて要らないよ」
『退職したぃぃぃ』
「まぁまぁ真琴ちゃ ん、頑張ろう。ね?」