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青い監獄のサッカー嫌い【ブルーロック】

第1章 青い監獄


苦笑いしたアンリさんは私を宥めるようにそう優しく声をかけたがこの人も私を逃がす気は無いらしい。
優しい人ならば辞めさせてくれるはずだから。


「さてと、僕らも行こうか。青い監獄に」


拒否も虚しく私は今から青い監獄(ブルーロック)へと向かう。
300名の若きストライカー達の世話をする為、そしてアシストをする為。

これからどんな生活になるのだろうか。
そんな事を考えながら私は車に乗りこみながら、受け取って貰えなかった退職届を握り潰した。


『サッカー嫌いなのに…。人を狂わせて、人の人生をめちゃくちゃにするサッカーなんて…滅べばいい』


ポツリと呟いた言葉は空気の中で消えていく。
発進した車はどんどん山奥へと向かい、五角形の不思議な施設が見えてくる。


『帰りたい…』


そんな願いは恐らく絵心さんに言ってもまた却下されるだけだ。
帰りたい退職したい今すぐお兄ちゃんを殴りたい(できないけど)。

ーーーーーー


青い監獄(ブルーロック)に到着後、私は直ぐに仕事に取り掛かる為に施設内へと入った。
窓も無い密室な空間の施設は前にも見学で来たことがあるが、居心地の悪い場所である。

プロジェクトが始まった今、私もここで生活する事になる。
300名の身の回りの世話、トレーニングでのアシストやデータ管理やら色々する為に。


『えっと…まず、絵心さんの所に行って参加者のデータ貰って……。ああ、嫌だ…帰りたい』


口癖が帰りたいになっているような気がする。
そんな事を思いながら、絵心さんが居る場所である司令室へと向かった。
大きな溜息を吐きながら扉をノックして入れば、目が痛くなりそうなぐらいのモニターがぎっしりある。


『絵心さん。参加者である300人のデータを受け取りに来ました』

「ああ、うん。そこのタブレットに入ってるから」

『はい…。うわぁ…300人全員の名前覚えれるかな、これ…』

「真琴ちゃん記憶力良いでしょ。巴瑠(ともる)から聞いてるよ」

『記憶力良くても300人はキツイですって…。うわ、怖い人いるっ!!嫌だぁぁぁ…』


タブレットで300人のデータを見ながら名前をなるべく覚えようと頭に叩き込む。
すると絵心さんはチラッとこちらを見ながら笑った。
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