• テキストサイズ

青い監獄のサッカー嫌い【ブルーロック】

第2章 第一選考


「おい、 秦野」

『え、あ…凛。どうしたの?』


チームVのトレーニング様子を見終えてから、次は他のチームの所に行こうとして廊下を歩いていれば凛に呼び止められた。


「今、どのチームがやってる」

『え?あ…チームXとチームZだけど』

「俺のチームはまだ先か…チッ」


凛は相変わらず不機嫌そうにしながら舌打ちをすると私の横を通り過ぎようとした。
だが私は慌てて凛の腕を掴み、その足の動きを止めさせると凛の鋭い視線が降り注ぐ。


「あ?」

『えっと、オーバーワークはしないようにね。その、一次選考の時に影響出ちゃうかもだから』

「サッカーも知らねぇど素人が口出しすんな」

『た、確かにど素人だけど。オーバーワークになって体を壊したら、何かも全部消え失せる』


あの人みたいに何もかも消え失せて、自分の人生じゃなくて他人の人生までを壊していく。
だからオーバーワークや自分を追い込んでまでするサッカーが私には意味があるのか分からない。


「テメェに言われなくても、そのぐらい分かってんだよ。泣き虫マネージャー」

『泣き虫は一言余計な気がするんだけど』

「うるせぇよ」


凛は勢いよく私の手を振り払うと歩き出してしまった。
時折だけど凛は何かにイラついているような、そんな雰囲気を纏っているが何かあったのだろうか。
でも多分聞いても凛は答えてくれないだろう。


『ちゃんと休憩するんだよー!』

「うるせぇって言ってんだろ!」

『ひえっ!』


返ってきた怒鳴り声に思わず悲鳴が出てしまう。
ここで凛を見送って…と行きたいが、本当にちゃんと休憩するのか不安なので着いていく事に決めた。
怒られてもチームの様子を見るのが仕事だからと言えばいい。


「なんで着いてきてんだテメェは」

『チームのトレーニング様子を見に行く為に。あと凛が本当に休憩取るのか分からないから』

「テメェはビビりなのか肝が据わってるのか、分からねぇ女だな」

『褒めてくれてありがとう』

「褒めてねぇよ!!」

『ひえっ!?急に怒鳴らないでよ……。たださえ凛、怖いのに』

「怖いくせについてくんのかよ。うぜぇなお前」
/ 39ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp