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青い監獄のサッカー嫌い【ブルーロック】

第2章 第一選考


190cmの大男に組み敷かれて、顔面間近に凪の顔があるし迫られるなんて怖いに決まっている。
涙がこぼれ落ちないように我慢しているがそろそろ限界が近い。

「俺が怖いの?あんまり言われた事ないんだけどなぁ」

『私が怖がりなの知ってるでしょ!?』

「うん、知ってる。だからアンタ、面白いよね。俺なんて怖がられる存在じゃない、玲王もそう。なのにアンタは玲王にも若干怖がっている。面白いぐらい怖がりだね」


無表情で言ってるのに面白いと本当に思っているのだろうかと思ったのと同時に、この子もしかしてドSなのだろうかと考える。
私が怖がるのが面白いなんて今まで言われた事ない。


『ていうか、離れてくれませんかね!?』

「えー眠いからやだぁ」

『ちょ、重い!重いよ!凪!!』


力が抜けたように凪は私の上にベチャッと乗ってきた。
かなり重いし息苦しくて両手両足をバタバタとするが凪が動くことは無い。
体格差があるし重さもあるし。


『凪ー、お願い!お願いだから起きて!?』

「ん〜。マネージャーって、骨だね」

『骨!?』

「胸、そこまで大きくないね」

『ちょっと!?』


凪の大きな手のひらが私の胸に触れる。
揉む訳ではないが、滑らすように触れるだけでそれが擽ったい。
だが骨と言われるのは仕方ないだろう。

元社畜。
食事をする時間も無ければ睡眠時間も無く、ただ仕事をこなすばかりだった。
そのせいで体重も減ったしお兄ちゃんからも『骨になりてぇのかお前は!』と怒られた。


『骨は元社畜の名残……』

「あ〜、社畜でご飯も食べれなくて?かわいそーだね、マネージャー。そのせいで胸小さくなった?」

『胸は元々ですけど!?あとセクハラだからね!?』

「おーい、凪。真琴押し倒してなにセクハラしてんだよ?大丈夫か真琴」


足音と共に御影の声が聞こえて、扉の方へと目を向ければ呆れたように笑っている彼の姿があった。
そしてゆっくりと近付いてから私と凪の横にしゃがみ込んだ。


『助けて……御影、潰れそうっ』

「まぁ190cmの大男が乗ってればそうだよな。ほら凪、どいてやれよ。真琴が潰れちまう」

「ん〜確かにそうだよね。マネージャー骨だし」

『骨って言わないで!?』

「あーほら、凪いじめんなって。また泣いてんじゃんか」
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