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青い監獄のサッカー嫌い【ブルーロック】

第2章 第一選考


『え、寝ないの!?』

「やり足りない〜!ほら潔!やろうよ!」


ケラケラと笑いながら蜂楽は潔へと向かってボールを蹴り、潔も走り出しボールを受け止めていた。
どうやら二人は寝る気が全くないようで真琴は深い深い溜息をつく。


『止めても無駄そうだなぁ…。絵心さんに怒られちゃうな』


トホホ…と真琴は涙を浮かべながらも二人の様子を見守る事にしたが、彼女は二人の1on1を見て目を見開かせた。
二人の纏う空気がさっきのと変わっている。

ボールを奪う、相手を蹴り落とす、絶対に勝つ。
その3つが空気から伝わってきて真琴は思わず息を飲んで恐怖を覚えた。


(纏う空気がなんだか怖い…。私が見てきたサッカーとは何かが違う。それに潔、潔の目がさっきと全然違う……怖い)


純粋に恐怖を覚えた。
だが目が離せないのは何故だろうと疑問を抱きながら、真琴は二人の動きを見つめていた時であった。


ピンポンパンポーン


天井のスピーカーから音楽が流れ、潔と蜂楽は動きを止めて真琴は天井を見上げればスピーカーから絵心の声が響いた。


「えー…3日間にわたる体力テストの集計が終わりましたー。速やかに部屋に戻り最新ランキングを確認せよ」


その言葉に真琴は目を細めながらタブレットを握り、潔と蜂楽へと視線を移した。


『二人とも部屋に戻ってランキング確認してね』

「りょーかーい!」

『あと二人ともなるべく寝るようにね…無茶したらサッカー出来なくなるし』

「出来なくなるし?」

『私が絵心さんに怒られるからっ!!』


怒られたくないからと泣く彼女に潔は苦笑を浮かべながら真琴の頭を軽く撫でた。
彼女の方が2歳も歳上なのだが直ぐに泣くせいなのかどうも年下扱いしてしまう。


「ごめん真琴。次から気を付けるな」

『潔……私の事年下扱いしてる?』

「あ〜…ごめん?」

『疑問形で謝らないで!?』

「ごめんごめん」

『頭撫でないで!?惨めになるからぁ!』

「ごめんごめん」


謝りながらも潔は撫でる手を辞めなかった。
どうもこの年上のお姉さんは可愛いというか、年下扱いをしたくなる。
恐らく幼い子のように感じてしまうからだろう。
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