第1章 青い監獄
「んあ〜…?ああ…泣き虫マネージャーじゃん」
『うっ…』
「また泣きながら俺にトレーニングしてって言うの?面倒くさくない…?」
『正直言えば面倒臭い!放置したい!!君怖いから関わりたくない!でも放置したら絵心さんに怒れるからッ!!』
「……ほらまた泣く」
面倒臭いという顔をしている凪にまた泣いてしまう。
この3日、凪と関わる度に泣いてしまう為彼からは『泣き虫マネージャー』と言われるようになった。
確かに泣き虫であるので否定は出来ない。
すると凪は『あ〜面倒臭い』と言って転がりまた寝ようとしていた。
流石にまた寝かせたら絵心さんに何かを言われてしまう。
『凪!寝ないでッ!!トレーニング!』
「え〜やだ」
『やだじゃないの!トレーニング!あとそこ他の皆の邪魔になるからどいて!』
「じゃあ泣き虫マネージャーが動かしてよ」
『え……』
動かせって…この190センチもある男を動かせと?
目を見開かせながら寝そべる凪を見たが、これで動かさないと寝ると判断して凪の両脇に手を差し込み起こそうとしたが無理に決まっている。
『………重い』
起き上がらせるのは無理。
そう判断して引き摺る事に決め、凪の両腕を掴むと引き摺るように動かし始めたがやはり重くて動かない。
『うっ……っう!』
「マネージャー大丈夫か!?俺運ぶけど!?」
「全然動いてない!」
『だ、だいじょっ…ぶ!!皆は、自分のトレーニングを……しててッ!』
様子を見ていた他の子達が声をかけてくれたが今は自分を優先してほしい。
だがこの凪を運ぶのはかなりキツイ。
というか御影は何処にいる。
ふと、凪の相棒とも言える御影玲王の姿が無いのに気がついた。
『な、なぎっ…、みかげはっ!?』
「んぇ〜?トイレ」
『トイレっ…!自分で動く気ないの!?』
「ない〜」
『なんでぇぇぇッ!』
ー三人称ー
真琴に引き摺られながら凪は片方の目を開いてから、全く自分の体が動いてないのに気が付いた。
非力なのか自分が重いせいなのかと考えならがらも、泣きながら自分を運ぶ彼女が面白いと思う。
じわりと凪の重さと引っ張る労働に疲れて来たのか真琴の額に汗が滲む。
だが動かさなければと勢いよく凪を引っ張ろうとした時であった。
『うぇっ!?』
「え?」