第1章 青い監獄
「でも確かに真琴ちゃんよく泣いてるから幼く見えるね!」
「おい蜂楽!本音を言っていい時も悪い時があるんだぞ!!」
フォローになってないフォローをする潔に、本音を言って何が悪いのだと言わんばかりの顔をする蜂楽。
やはりこのチームも個性が強すぎるし怖い。
「あ、お前らなに真琴ちゃん独占してんだよ。俺らも混ぜろ〜」
『ヒッ!』
「おいコラ今村!気安く抱きつくな!」
「はいはい離れろ〜。 秦野さん固まってんじゃねぇか…涙目で」
この今村遊大も怖い一人である。
何かしら後ろから抱きついてくるのもあるが、事がある度に口説いてくるので怖い。
恐怖過ぎて固まっていればそれを見かねた國神が手を引っ張り助けてくれたが、國神も怖いので固まるしか出来ない。
『……退職したいッ』
「また言ってる…」
こんな感じで私は青い監獄(ブルーロック)で過ごしているのだが慣れない。
今でも早く退職したと思っているし、サッカーが嫌いだしこの子達もよく分からず怖いだけ。
「おいテメェら!!もうすぐで休憩終わんぞ!そんなんで世界一になれんのか?あぁ!?」
「うるせぇ…雷市のあの大声どうにかならねぇかなぁ」
「ならないでしょ。あぁぁまたキッついトレーニングかぁ」
「はいはい、文句言わないで始めるよ」
久遠の言葉にそれぞれ休憩していた子達はゆっくりと動き出していく。
それを眺めながら深い溜息をついていれば、タブレットにある一通のメールが届いた。
絵心さんからのメールである。
こうして絵心さんがメールを通して私に指示をして、どのチームのトレーニングを見てこいや集合をかけたりするのだ。
「チームVのトレーニング見てこい。サボり常習犯をなんとかしろ以上」
そのメールを見て口元がヒクッと動くのが分かった。
出来れば関わりたくないあの子達がいるチームなのだから。
「あれ? 秦野さんどっか行くの?」
タブレットを手にして扉へと向かおうとするとそれに気が付いた潔が声をかけてきた。
『うん、他のチームの所のトレーニング見に行くの』
「あ、そっか…。俺らだけじゃないもんなぁ。じゃあ頑張ってな秦野さん」