第6章 青い果実
部屋に入ると、思ったよりも古臭くはなかった。
私は、いつもの癖で、アメニティグッズをチェックしてゆく。
ラブホに行くといつもそれをしていた。
アメニティグッズはそれなりに充実していたのだ。
私は、それを済ませるとジージャンをハンガーに掛けた。
トオルも今日は同じようにジージャンを羽織っていた。
そのジージャンもハンガーに掛けた。
今日は、何気に服装が被っていると感じた私だった。
トオルはバスルームに行くとバスタブにお湯を張り始めた。
バブルバスを入れて、アワアワにしてゆく。
「美都、一緒にお風呂に入らないか?」
それを聞くとちょっと私は恥ずかしくなった。
明るい場所で身体を見られるのがイヤだったのだ。
「ちょっと恥ずかしいわ…」
「恥ずかしがることなんてないよ…」
「そうかな?」
「そうだよ、俺は美都の全てを知りたいし見てみたいんだ…」
確かに女は自分の彼女以外にはいないのだろう。
自分以外の女の身体を見てみたいと思うのは普通かも知れなかった。
「わかったわ…」
「ありがとう…美都…」
そう言うと私の身体を抱き締めてくる。