第6章 青い果実
その誠一も、今日は体調も良くなり自宅でゆっくりしてくれている。
でも、私は、これからこの若い男とセックスをするのだ。
身体が緊張してゆくのが分かった。
しかし、心と身体は求めてやまなかった。
強か、ホテル街を歩いた様な気がした。
その時に、一軒のホテルの空きを見つけたのだ。
そのホテルは小さなホテルだった。
決して、綺麗だとは言えない外観のホテルだった。
「美都、ここでもいい?」
「ええ、いいわよ…」
そんな会話をしながら私たちはホテルのエントランスへと入って行った。
ホテルの中は本当に古めかしくてちょっとカビ臭かった。
「どこの部屋にする?」
「安い部屋でいいわ…」
でも、そこの部屋を選ぶパネルには一部屋しかランプは付いていなかった。
否応なしにその部屋を選んだ。
ルームキーを受付で手渡しされた。
手渡しされた時、ちょっと恥ずかしさを感じてしまうのは私だけだろうか。
エレベーターに乗り、3階で降りる。
305号室の灯りが点滅しているのが見えた。
その部屋に私たちは吸い込まれる様に入って行った。
私の心臓は、期待と不安でバクバクいっていたのを覚えている。