第6章 青い果実
トオルが買い物をしたいと言ったので、多分飲み物でも買ってきてくれるのだろう。
そう、思いながら、雑誌のコーナーで私は雑誌を読みながら彼を待っていた。
暫く、トオルは何かを探している様だった。
そのお目当ての商品を手に持つと、レジに行き支払いを済ませた。
雑誌を読んでいた私の所に来ると後ろから“ポンポン”と肩を叩くのだ。
振り向くと満面の笑みを浮かべてトオルが立っていた。
「美都、お待たせ…さ、外に出よう…」
外に出て歩きながらトオルに話しかけた。
「何を買ってきたの?」
ちょっと恥ずかしそうに顔を赤くしてこう言ってくる。
「コンドーム買ってきたんだ…」
「えー?何故?ホテルにもあるじゃない?」
するとトオルはこう言ってきた。
「俺、ホテルに置いてあるコンドームって信用してないんだ…」
私はそれを聞いてとても不思議に思い聞いてみた。
「何故、そう思うの?」
「だって、良く、イタズラでゴムの袋に穴開けるって聞いた事あるからさ…」
私はこの話しを聞いて、信じられない思いだった。
そんなことをする大人がいるのだろうか。
そう、思ったのだ。
でも、トオルは真剣そのものだった。