第2章 チャットルーム
「その彼女とは良く会ったりしてるんだ?」
「いや、1か月に1回しか会わないよ…」
「なぜ?」
「だって、彼女は長野に住んでるからだよ…俺は、横浜だけどさ…」
なるほど、遠距離恋愛なのか。
それは、淋しいだろうなと私は思ってしまった。
「それは、淋しいね…」
「うん、淋しいけどね。でも必ず1か月に1度会えるからさ。それで、その彼女なんだけどさ…」
「なに?」
「実は、俺の同級生のお姉さんなんだよ…」
「えー?そうなの?」
「うん、同級生の友達の家に遊びに行った時に、一目惚れしちゃったんだ…」
なるほど、このトオルは惚れっぽいのか。
私は、この時そう感じてしまったのだ。
尚も、こう話してくる。
「その、彼女とも来年結婚するんだけどね…」
「え?25で結婚するの?」
「そうだよ。結婚したら長野に行くんだ…」
そう言うことなのか。
私は、チャットでトオルと話していてそう思ったのだ。
この頃は、まだオープンチャットでトオルと会話をしていたので彼女がいることをチャットルームの人たちはみな知っていたのだ。
この時はまだ、私たち二人はプライベートメッセージを使わなかったのを覚えている。