第7章 ダイヤはダイヤでしか、、、
「手前は手品師か糞太宰。」
太宰「あのね、中也。何の意味もなくギブスなんてつける訳ないでしょ、、、全部話してくれるよね、蘭堂さん」
太宰は力なく倒れている蘭堂に問いかけた。
蘭堂はゆっくりと口を開いた、、、
八年前のあの日のこと、相棒を自身の手で殺した事を、、、
蘭堂「中也くん、君は荒覇吐そのものではなく荒覇吐を制御する為の入れ物として選ばれた"人間"なのだろう。だが、君は荒神としてではなく一人の人間として強い。」
「そりゃどうも。」
蘭堂「君の中に何が住んでいようと、、、"君はすでに君だ"それで良いのではないか?、、、、生きよ。」
蘭堂の言葉に中也はチラッと蘭堂を見た。
蘭堂「すべての人間、、、すべての人生は結局自分が何者か知らないままに生きるのだから、、、不思議だ、少しも、寒くない、、、」
蘭堂は小さく微笑み、そして息を引き取った。
彼の最期は穏やかだった、、、、。
夕日が差し込み、辺りに船の汽笛の音が響き渡った、、、、。
『終わったの、、、?』
「ッ!!手前、怪我は大丈夫なのか!?」
突然背後に現れたに中也は飛び上がった。
は小さく頷くも、額からは血が垂れていた。
そんな彼女に中也は、、、、
「その、、さっきは助かった。怪我させちまって悪かった、、、。」
謝る中也には首を傾げた。
そして中也は彼女に何故自身を助けたのかと問おうとした時だ、、、、
太宰「〜!心配したのだよ!!」
そう云い乍ら、に抱き付く太宰。
突然会話に飛び込んできた太宰のせいで結局訊くことはできなかった。