第7章 ダイヤはダイヤでしか、、、
「っく、、、ぁあ!!」
蘭堂が中也の足を亜空間へ取り込み、骨を折ったのだ。
そして中也を地面へと叩きつけ、トドメを刺した、、、筈だった。
然し土埃から姿を現した中也に蘭堂は目を見開いた。
彼の身体は赤い重力に覆われていたからだ。
蘭堂「自らの体を高重力化して密度を増し、衝撃を受け切ったのか」
「なあ、何で俺が両手を使わずに戦ってたか、教えてやろうか?」
そう云い乍ら、中也は両手をポケットから出した。
「いつか負けそうな時が来りゃあ、、、そうりゃあ、ちっとは愛着が沸くと思ったんだ。"この俺って人間にな"」
中也の鋭い視線が蘭堂を射抜く、、、
蘭堂「素晴らしい!君を取り込めばこの身に感じる寒さも吹き飛ぶか!!」
蘭堂は叫んだ、、、、その時だった。
太宰「来いっ!中也!!」
「手前が動くんだよ、糞太宰。」
先代の攻撃を避け乍ら太宰はふっと笑った。
先代首領「しまいじゃ、小僧」
先代の鎌が太宰の右手を斬った、、、に見えた。
カキンッ
金属の擦れる音が響き渡ると、太宰の右手の包帯の下から現れたのは金属製の防具だった。
先代が呆気に取られているほんの一瞬を太宰は見逃さなかった。
太宰は中也に向かって右手を出し、飛び出した。
太宰「中也!!」
「来い、、、太宰!!」
蘭堂「させるか!!」
蘭堂の異能力が再び襲いかかるも、中也は歯を食いしばり乍ら太宰に手を伸ばし続けた。
重なる手。
握られた手からは眩い光が辺りを包み込んだ。
そして、亜空間が消えた。
足場を失った蘭堂、、、その目の前には中也がいた。
「終わりだ旦那。重力からは逃げられねぇ」
中也の拳が蘭堂の腹にめり込み、蘭堂の身体は地面へと叩き飛ばされた。
太宰「蘭堂さんの亜空間が消えれば、当然貴方も消える。だけど、、、」
鎌を避け、太宰は先代の口目掛けて右手をめり込ませた。
「一発くらい受け取ってよ。僕からのお礼」
先代の姿は跡形もなく消え、その場には大きな鎌のみが残されていた。