第7章 ダイヤはダイヤでしか、、、
俺の記憶は人生の途中からしか存在しなかった。
八年前のあの日以降しか、人生そのものが存在しない。
それ以前は、"闇"だ。
青黒い闇。
透明な壁に囲まれた、重く静かな闇。
上も下も、前後も判らない。
時間の流れすら曖昧で、自分が何者かも判らない。
そんな闇の中に浮かんでいた。
どこかの施設に封印されていた。
"荒覇吐"は神じゃない。
死者を蘇らせる力もない。
俺っていう人格が、どうして存在するのかも判らない。
判るのは、誰かの手が封印を破って、俺を外に引っ張り出したってこと。
「あの手はアンタだな、蘭堂」
中也は静かに蘭堂を見上げた。
「アンタは何処で俺を見つけた?それを知る為に俺はこの事件を追った。さあ、全部吐いて貰おうか」
蘭堂は俯き表情を隠して震えていた。
その震えは寒さ故ではない。
蘭堂は笑っていたのだから。
蘭堂「無論、教えるとも。君にはそれを知る価値がある。」
蘭堂は一瞬の隙をつき右手で亜空間を凝集したものを作り、それを中也にめがけて放った。
然し、、、、
「はっ!!」
太宰「っ!!」
なんとが中也を庇って後方へ飛ばされたのだ。
あまりの勢いに土埃が立ち、の姿は見えなかった。
二人がに気が向いていたほんの一瞬、、、
「うわっ!!」
再び蘭堂の攻撃により、中也も防御したものの後方へと飛ばされたのだ。
太宰「何故重力で防御できない」
蘭堂「私の亜空間は弾丸と違い、物理法則の影響を受けない。更にその空間は通常空間から隔絶された異世界でもある。」
その瞬間、蘭堂の異能力により倉庫全体が亜空間に囲い込まれたのであった。
太宰「僕を避けて異空間を展開している。僕の異能力を知っているのか?」
「うっ、、、手前、、、」
吹き飛ばされた中也は異能力で飛び上がった。
彼の腕には額から血を流し、ぐったりとしているが横抱きにされていた。
----何故俺を助けたんだ、、、、。
そんな疑問を中也は抱き乍ら中也は蘭堂に反撃を仕掛けるため、一度を安全な場所へ移動させた。
蘭堂「今ので死なぬとは流石"荒覇吐の化身"」