第7章 ダイヤはダイヤでしか、、、
太宰「はーいストップ」
「あ?、、、、手前ら!何でこんなとこにいんだよ!」
太宰「犯人告発は僕の方が先だからね、今まさに犯行の説明をしている最中だったんだから」
「最中ってことは、まだ終わってねぇんだろ?だったら、俺の勝ちだ」
太宰「君の勝ちってのはあり得ないけど、推理は訊いてあげるよ。何で蘭堂さんが犯人だと思った?」
「推理も何もねぇ。奴の話を訊いてりゃ誰でも判る。これまでの目撃証言は先代のジイさんを見たっていう話ばかりだ。だが、其奴は"荒覇吐"本体を見たと云った。そんなことありえねぇんだよ」
中也の視線は鋭く、蘭堂を射抜いた。
蘭堂「神などと云うものは存在しないから、私を犯人と考えたと?」
蘭堂が問うと中也は"違ぇよ。逆だ"と答え言葉を続けた。
「神は存在するからだよ、、、、俺はそれを知ってる」
蘭堂「"荒覇吐"が存在する事を君は知っているのか?」
「ああ。アンタも見たんだろ?八年前の彼奴を。じゃなきゃあそこまで正確に姿を証言できねぇからな」
蘭堂は中也の言葉を訊いた後、ゆっくりと身体を起こした。
蘭堂「中也くん、ならば君は知っているのだな。"荒覇吐"が今、何処にいるのかを、、、、」
太宰「知っているなら教えてあげなよ。何方にしろ蘭堂さんはポートマフィアを危機に晒した咎で処刑されるんだから」
「、、、ったく。何奴も此奴も、何であんな奴に会いたがる。彼奴には死人を蘇らせる力なんかねぇ。それどころか、人格や意思そのものが存在しねぇんだ。台風や地震と同じだ」
蘭堂「人格など問題ない!大いなる破壊。地を焼き、空を染め、大気を震わす、理解の及ばぬ、彼岸のもの。その“力”だけで、私には十分なのだ。教えてくれ、中也くん。人智を超えた存在は、、、私を焼いた者は何処にいる?」
蘭堂の言葉の後、ほんの少しの沈黙が生まれた。
その沈黙は本当の一、二分。
然し、その時間はとても長く感じたそうだ。
そして中也が口を開いた。
「そんなに知りたきゃ教えてやるよ。
"荒覇吐"はな、、、、、、、、、、
"俺"だよ」