第6章 羊の王
蘭堂「ううっ、、、寒い、、風通しがよくなって三倍寒い、、、」
太宰「災難だったね、蘭堂さん」
暖炉の前には震える蘭堂の姿があった。
周りには本が散りばめられ、それを薪がわりにしていた。
蘭堂「酷い目に遭った。何故私が、、、、」
太宰「襲われた理由はおおよそ想像がつくよ。ウワサの拡張だ」
森派の蘭堂が黒い爆発で殺されたとなれば、人々は"先代の怒り"をより強く実感するからだと太宰は説明をした。
そしてGSSの一人が黒い爆発を偽装する為の手順書を持っていたことも太宰は見つけていたのだった。
「つまりこういうことか?GSSの連中がポートマフィアを仲間割れさせるために"荒覇吐"になりすまして、この旦那を襲った」
蘭堂「GSSの現総統は冷酷な男で北米の機密機関"組合(ギルド)"と深い関係にあるという噂だ」
太宰「蘭堂さんが摺鉢街で目撃した"荒覇吐"について教えて欲しい」
太宰の言葉に蘭堂の表情は固くなり、寒さなのか恐怖からなのか身震いをし乍ら、ゆっくりと話し始めたのだった、、、、。
蘭堂「ああ、覚えているとも。忘れるものか、、、」
----あれは摺鉢街のほぼ中心地での出来事であった。
我々ポートマフィアは羊の武装した少年たちとの抗争に向かう途中であった。
そこでいきなり黒い爆発に我々全員が吹き飛ばされた。
いきなりの爆風に私は自分自身を異能で守ることしか出来なかった。
黒い炎、、、瓦解する大地、、、
あれは地獄であった。
そしてその中心に"其奴"はいた。
それは先代の首領などではなかった。
いや、そもそも其奴は人間ですらなかった。