第6章 羊の王
森「ようこそ、ポートマフィアへ。"中原中也"くん」
中也「お招きに預かり光栄だぜ。」
森は不的な笑みを浮かべ、中也は挑発的な笑みを浮かべて睨み合っていた。
中也の身体は厳重に拘束されており、身動きが取れずにいた。
森「昨日はうちの部下を相手に大活躍だったそうじゃないか」
「それも邪魔が入って台無しだ。もっともこうして招いたのもそれ絡みだろ?"荒覇吐"について何を調べている」
ガチャ。
ノック音もなく、誰かが中に入ってきた。
森「やぁ、太宰くんとちゃん。待っていたよ。」
「あっ!手前は昨日の自殺願望とちびっこ!」
太宰「はいはい。今日も元気だねぇ。僕なんか見ての通りの大怪我なんだけど。」
そう云い乍らギプスで固定された腕を中也に見せつける太宰と、その様子を黙ってじっと見つめる。
中也の視線はに向いていた。
何度見ても彼女が暗殺者には見えないからだ。
太宰「ねぇ、僕のをジロジロ見るのは止めてくれるかな?」
「ンだと?」
----なんだ、一丁前に彼氏ヅラかよ。
マフィアも恋愛できるほど暇なのか。
そんなことを呑気に考える中也。
森「昨日会ったばかりなのに、仲が善いね。君たち。」
太宰「はぁ?」
森「さて、昨日の件で中也くんと少し話がしたい。外してもらえるかな?蘭堂くん」
蘭堂「首領、それはお勧め出来ぬ事。この小僧は危険」
森「ちゃんもいるし、手も考えてあるから大丈夫だよ。それより蘭堂くん、、、いつもより寒そうだよ。大丈夫?」
蘭堂「恥を承知で申し上げると、凍えて死にそうで御座います、、、。」
蘭堂の言葉に中也も振り替えり、彼の姿をもう一度確認した。
「寒い?その格好で?」
何枚も厚着をし、耳当てにマフラーまでしている格好だ。
----寒いはずねぇだろ、、、、。
そんなことを思い乍ら中也は眉を上げた。
森「下がっていいよ。」
蘭堂「ではお言葉に甘えて失礼します。」
蘭堂は森の言葉に頭を下げ、部屋を出て行った。