第5章 あの夜のこと
ギーっと扉が開いた。
其処にいたのは中也だった。
「姐さん、のこと借りていいですか?」
紅葉「勿論じゃ。」
「手前に話したいことがある、いいか?」
私が頷くと、中也に手を引かれ姐さまの部屋を後にした。
---バタン
再び中也の部屋に戻った。
扉が閉まったと同時に中也にぎゅっと抱き締められた。
『中也、、、、?』
「悪りぃ、盗み聞きするつもりはなかったんだが。つい気になっちまってよ。」
『うん。』
「もう一度聞くがあの夜なんで俺に抱かれた?」
『中也が善かったの、、、、。私、、、中也のことが、、、んっ!』
最後まで云おうとしたが、云えなかった。
中也に接吻されたからだ。
ちゅっ。っとリップ音が鳴り唇が離れると真剣な眼差しの中也と目が合った。
「、俺はずっと前から手前のことが好きだ。」
『中也っ、、、私も中也のことが好き、、、』
涙が溢れ出した。
嬉しくて胸がいっぱいになった。
そんな私を中也は再び抱き締めてくれた。
「すげぇ嬉しい。」
『私も。』
「好きだ、」
『私も中也が好き、、。』
「もう二度と離さねぇ」
『うん。』
名前を呼ばれ、顔を上げると頬に手を添えられた。
熱い視線を送ってくる中也と目が合い、頬に添えられた手に自身の手を重ね合わせた。
「好きだ、」
"私も好き"と返す前に唇を塞がれた。