第5章 あの夜のこと
---四年前
『織田作っ!!、、、兄さん、、、?』
その場に慌てて駆けつけたものの、すでに遅かった。
太宰「、、、、織田作は死んだ。」
太宰の言葉にはその場に座り込んだ。
『ッ、、、ごめんなさい、、、』
あの時、異能力を使ってまでも織田作を引き止めるべきだったと後悔した。
太宰「は悪くないよ、私のせいだ。もっと早く首領の企みに気付くべきだった、、、、。」
自分のことを責めない兄さんの優しさが余計に私を苦しめた。
お前が殺した。そう云われた方がマシだった。
---あの時、兄さんから連絡が入った。
織田作を止めろ、、、っと。
理由は書かれていなかった。
胸騒ぎがした。
兄さんから教えられた場所へ急いだ。
そこは織田作が養っていた子供達が住んでいた家。
私も何度か訪れた場所だった。
あの頃はいつも賑やかだったのに、この日は静まり返っていた。
そう、子供達がミミックの手により殺されたのだ。
子供達の部屋には彼がいた。
『織田作、、、、』
織田「よぉ、か。太宰に訊いたのか?」
『うん。何するつもり、、、なの?』
織田「全てを終わらせる。」
織田作の一言で全てを理解することができた。
何故兄さんが私に連絡を寄越してきたのかも、、、。
織田作は、死を覚悟でジイドと戦うつもりなのだと。
『人は殺さないんでしょ、、、?』
織田「もういいんだ、全て消えたんだ。」
『ッ、、、駄目!行かせない。』
織田「それは命令だからか?」
織田作の言葉が刺さった。
これは命令だ。
でも、違う、、、、
『死んで欲しくない。織田作に生きてて欲しいから、、、』
の言葉に織田の心は一瞬揺らいだ。
命令でしか動かないが初めて自身の意見を云ったのだから。
織田「これからもそうやって生きろ。」
『えっ、、、、?』
織田「ちゃんと思ったことを伝えるんだ。中原にもちゃんと伝えてやれ。」
『中也に、、、?どういうこと、、、?』
織田「ふっ、、、まだそれは早かったか。」
彼がなにを云っているのか理解できなかった。
織田「、一つお前に頼みがある。」