第4章 殺戮の天使
「っく、、、なんつー数なんだ。」
棘の数はあまりに多く、無闇に近づこうとすれば一気に襲い掛かってくる為、避けるので精一杯だった。
重力操作で一気に潰しにかかることも出来なくもないが、そうすればの身体が潰れちまうかもしんねぇ、、、。
どうすりゃいい、、、。
太宰「王子様の接吻(キス)が効くかもね、、、」
「はぁあ!?なに呑気なこと云ってやがる!手前も他に手がねぇか考えろ!」
太宰「私は至って真剣さ。ほら、よく御伽話でもあるだろう?」
意味不明なことを云い出す太宰を無視し、再びとの距離を縮めようとした時だった。
彼女の唇が微かに動いたのだ。
「ッ!!」
俺は圧縮した重力をシールドのようにし、の元へと駆け出した。
"助けて" そう云っているように見えたのだ。
棘の威力は凄まじく、シールドの効果はあっという間に薄れた。
なんとかシールドが壊される前にの元へとたどり着いたものの、そこからどうすりゃいい、、、。
の身体は棘に絡まっており、触れようにも棘が邪魔をする。
"王子様の接吻が効くかもね、、、"
ふと太宰の言葉が頭によぎった。
一か八かだ、、、、。
「目ぇ覚せ、、、」
これが俺の初めての接吻だった、、、、。
太宰「人間失格」
次の瞬間、眩い光が照らした。
周りにあった棘たちが消えたのだ。
どうやら作戦は成功したようだ。
「っ!っ!」
俺の腕の中にいるは真っ白な顔でぐったりとしていた。
を抱え、俺は拠点へと急いだ。