第3章 好きなモノ
「アレが気になんのか?」
俺の問いにコクンと頷く。
彼女の目線の先には、、、、、
「ほらよっ。」
『ありがとう。』
俺からそれを受け取ると、まじまじと眺める姿が可愛らしく、彼女がまだ13歳の少女であることを思い出した。
「いちご飴食べたことねぇのか?」
『うん。』
はいちご飴を頬張っている子供を見ていたのだ。
「祭りとかでよくあるじゃねぇか。」
『お祭りなんて行ったことないから。』
の言葉が刺さった。
そうだ、彼女は幼い頃からポートマフィアにいた。
首領に気に入られており、何不自由なく生きてきたが、彼女は外の世界を全く知らない籠の中の鳥なのだ。
「なら、、、俺が連れて行ってやる。」
『え、、、、?』
「祭り。今度連れて行ってやるよ。」
『ありがとう、中也。』
「ッ//お、おう。ほら、食えよ。」
こん時、ほんの少しが微笑んだのだ。
その顔はまだあどけない少女だった。
初めてみたの笑顔に胸がドキドキと高鳴った。
『美味しい、、、。』
パクッといちご飴を食べるは呟くようにそう云った。
初めて食べるいちご飴は彼女に衝撃を与えた。
体験したことのない食感、甘いのに少し酸っぱい味、全てが初めての経験だった。
これがきっかけではいちご飴が好きになったのだ。
「祭りで食ういちご飴はもっと美味いぞ?」
『そうなの?』
「ああ、だから今度は祭りに行っていちご飴食べようぜ」
『うん。』
あまりにも美味しそうにいちご飴を食べるを見て中也はさぞ満足した。
そして、の知らない世界をもっと見せてやりたいと思ったのであった。