第3章 好きなモノ
ヨコハマの街は平日にも関わらず人で賑わっていた。
「すんげぇ人だなぁ。」
『うん。』
「なんかしてぇことねぇのか?」
『うん。』
やっぱりだ、、、。
そんなこともあろうかと俺はしっかりと計画を立てていたのだ。
「なら今日は俺に付き合ってもらうぞ!」
『うん。』
「手前はうん。しか云えねぇのかぁ?」
『うん。』
「はぁ、、、。取り敢えず行くか!」
俺は目的地へと彼女を連れて行った。
『此処、、、、?』
「ああ。」
其処は遊園地だった。
彼女の鉄仮面を剥がすために此処を選んだのであった。
「まずはアレからだ!」
『うん。』
それはジェットコースターであった。
かなりの急斜があり、尚且つめちゃくちゃ高い。
多少なりとも表情が変わるはず!っと思ったものの、、、、。
は全くもって表情を変えることはなかった。
いや、まだまだこれからだ!
俺は絶叫アトラクション、お化け屋敷とを連れ回した。
ちょっとでも驚いた顔とかを見てみたかったから、、、。
然し、、、、
『、、、、大丈夫?』
「おっ、、、おう、、、、」
結局は全く表情を変えることはなかった。
なんなら、俺の方が先にバテちまった、、、。
『、、、少し待ってて。』
はそう云い、何処かへ駆け出した。
2、3分して戻ってきた彼女の手には水が握られていた。
『はい、飲んで。少しは楽になると思うから。』
「おう、サンキューな。」
この時初めての優しさに気付いた。
周りから"殺戮の天使"などと怯えられ、避けられている彼女だが、本当は心優しい人間であるのだと、、、、。