第17章 愛しい君
『中也さん!!、、、、何処にいるの、、、』
周りを見渡しても彼の姿は見えない。
私が此処に来た理由は彼に逢うため。
乱歩さんに云われたのだ。
彼が、、、中也さんが私の心配をしていたと。
あんな酷いことを云ったのに、、、、
中也さんとの記憶だけが未だ思い出せない。
脳に刷り込まれているのは敵であるということだけ。
でも心の何処かで違うと声がするのだ。
中也さんのことを考えるたびに苦しくなるのは何故なのか、、、
否、本当はこの感情がなんなのか知っている。
乱歩「自分の心に従うんだ、」
『心に、、、、?』
乱歩「そうだ。頭じゃない、心だ。僕たちは君が選んだ道を応援するよ」
乱歩さんの言葉に背中を押されたのだ。
私は乱歩さんから差し出された本を開いた。
あまりの人の多さに、圧倒されていた。
彼の名前をできる限り大きな声で叫んだが、返事はない。
やはり私に逢いたくないだろうか、、、、
諦めかけていた時だった。
「っ!!!」
『ッ!、、、中也さん、、、中也さん!!』
「うぉっ!、、、?」
中也さんの顔を見た途端、身体が勝手に動いた。
気が付けば彼の胸に飛び込んでいたのだ。
『ごめんなさい!あんな酷いこと云って、、、』
「俺の方こそ黙っててすまなかった」
私は全てを彼に話した。
中也さんとの記憶だけが戻らないこと、中也さんのことを考えると胸が苦しくなることを、そして、、、
『私、、、、中也さんのこと、、、んっ///中也さん、、、?』
彼に"好き"と伝えようとしたが、口付けをされ阻止された。
突然の接吻(キス)に呆然とする私。
そんな私に中也さんは優しく私の頬に触れ、優しい表情をし乍ら口を開いた。
「俺たちは敵組織だ。本当は付き合うべきじゃねぇ、、、でも俺は好きだ、、、俺と付き合ってくれねぇか?」
『ッ、、、はい、、、』