第16章 共喰い
敦「さーん!太宰さーん!」
『敦くんおまたせ!』
敦「さん善かったです!記憶が無事に戻って、、、僕のこと思い出してくれないかと思って少し不安でした、、、」
『心配かけてごめんね。敦くんのことちゃんと思い出したよ。それより!龍ちゃんとまた共闘したんだって?見たかったな』
敦「あ、あれは太宰さんが!、、、、仕方なくです、、、」
『ふふ、そろそろ私たちも中に入ろっか!』
私は無事記憶を取り戻すことができた。
然し、彼のことだけは思い出せなかった。
今日は社長の快気祝い。
なんとフィッツジェラルドから豪華客船を貰ったこともあり、せっかくならと豪華に船内パーティーとなったのだ。
早速船内に入るとそこには鏡花、谷崎、賢治が待っており、に気付き駆け寄ってきた。
『皆んな、、、心配かけてごめんなさい』
謝るに全員が笑顔でおかえりと伝えた。
その言葉にも胸が熱くなった。
"、、、!"
ふと声がした気がした。
その声は紛れもなく彼だ。
慌てて振り返るも彼の姿はない。
賢治「あっ、乱歩さん!もう推理小説から脱出したんですか?」
乱歩「当然だ。素敵帽子くんは未だ中だ。諦めて全員張り倒してた」
『ッ!』
あの日以来逢っていない彼、最後に見た彼の顔が鮮明に思い出された。
彼、、、中也さんのことを考えると胸が苦しくなるのだ。
逢いたい、、、そんなことを思ってしまう。
でも私達は二度と逢ってはいけない。
何故なら敵組織だから、、、
そう自分に云い聞かせた。
乱歩「ねぇ、、、、、」