第16章 共喰い
『はぁ、、、はぁ、、、此処は、、、?』
無我夢中で走っていた。
気が付けばそこは墓地だった。
目の前にはS.ODAと書かれた墓石。
知らない名前、でもどこか懐かしかった。
『私はどうしたらいいの、、、?』
??「なに泣いてるんだ?、、、」
突然名前を呼ばれ振り返るとそこには赤毛で茶色いコートを着た男の人が立っていた。
『貴方は、、、?どうして私の名前を知っているの?』
??「昔馴染みってとこだ。何があった」
兄さんのような安心感のあるこの人に私は先ほどの事を話した。
??「そうか、、、辛かったな。」
『私は人殺し、、、なのに探偵社にいてもいいのかな』
??「生きろ」
『どうして、、、』
??「過去の罪は消えない。お前ができる償いは生きることだ、そして人を救え」
『ッ!、、、、判った。』
私のもう一つの悩み、、、、
??「太宰のこと恨むか?」
どうやら彼にはお見通しのようだ。
兄さんを恨む、、、?
何故?
孤独だった私のそばにずっと兄さんはいてくれた。
両親を殺されたと聞いて驚いた。
でも、、、、
『恨んでなんかない』
兄さんを恨む訳がない。
??「なら、太宰のそばにいてやれ。」
その時無線から兄さんが何者かに撃たれたと連絡が入った。
『ッ!!私行かなくちゃ!ありがとう!織田作!!』
織田作「また何あれば相談しろよ」
何故彼を織田作と呼んだのだろうか、、、
無意識だった。
私は兄さんが運ばれた病院へと急いだ。