第16章 共喰い
今から八年前、、、、
太宰「君、僕と一緒に来ないかい?」
『、、、、、。』
目の前の少女は全身血まみれだった。
辺りは血の海、そして死体がいくつも転がっていた。
森「この人数を一人で、、、、」
あまりの残忍さに森ですら息を呑んだ。
『私は死ぬの?』
太宰「どうしてそう思うんだい?」
『"親"を殺したから、、、』
彼女の視線は真下へ移動する。
太宰も視線を下へ下げると、そこに倒れているのは男女の遺体だ。
太宰「いいや、君は今日から生まれ変わるんだ。」
『生まれ変わる、、、?』
太宰「此処に倒れているのは幼い娘に暴力を振るい、そして人を殺させていたクズだ。君の両親なんかじゃない。」
『、、、、私の両親じゃない、、、』
太宰「君は僕の妹だ、これから永遠に。死んでも一緒さ」
『死んでも一緒、、、』
太宰「そうだ。行こう、。」
そう云って私は小さな手を掴んだ。
彼女は自分と同じ瞳をしていた。
この世界に絶望した瞳を、、、、
今まで孤独だった自分、初めて同じ人間に出逢えたことが嬉しかった。
彼女がそばに居ればこの世界でもう少し生きれるかもしれない。
そう思ったのだ。