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綺麗な薔薇には棘がある

第16章 共喰い


??「帽子がない、、、」

太宰「探し物はこれかい?」

??「貴方ですか」

太宰「仮面の男すら囮にした二重の暗殺。君ならその位はするだろうと思ったよ。だから逃亡経路を読み待ち伏せさせてもらった。どう?似合う?」

??「全く」

太宰「なら返すよ」

男に向かって太宰は帽子を放り投げた。

太宰「"魔人"フョードル・ドストエフスキーくん。君らしい遣り口だ」

フョードル「それでご用件は?」

太宰「社長に盛った毒の正体との記憶を奪った理由を教えてもらおうか」


フョードル「ふっ、、、ぼくが盛った毒は"共喰い"の異能です」

太宰「ッ!」

フョードル「二組織を潰すのは私ではありません。貴方がたです。そして、、、」

『兄さん、、、?この人は?』

太宰「ッ!」

フョードル「おや、まだ彼女は知らないのですね?貴方たちが"本当の兄妹"ではないということを、、、」

太宰「ッ!」

『えっ?どういうこと?』

フョードル「そうでした。記憶をなくしていたんですね、では太宰くんとの記憶は戻してあげましょう」

フョードルはそう云い、ある言葉を云った瞬間、、、
強烈な頭痛がを襲った。

『っぁあああーー!!!』

太宰「っ!!」

フョードル「思い出しましたか?」

『思い出した、、、全部』

は太宰のことを思い出した。
それと同時に自身が元マフィアであることもだ。

フョードル「貴女は元ポートマフィア、殺戮の天使と呼ばれ罪のない人間を多く殺してきた。そんな貴女は自身の親を、、、」

太宰「私が殺した」

『なに、、云ってるの?』

太宰「彼の云う通り、私と君は血が繋がっていない。君の異能力を利用するために私は君の両親を殺し、私の妹だと思い込ませた。まさかここまで騙せたとはね。」

『嘘、、、そんなの嘘』

太宰「事実さ」

はその場から走り去った。

フョードル「感動的な兄妹愛ですね、いいんですか?そんな嘘をついて」

太宰「これがの記憶を奪った理由ってことか」

フョードル「ふふ、流石太宰くんです」

太宰「の異能力は本と関係あるのかい?」

フョードル「ええ、彼女の力なしでは本は探せないので。ふふ、さてどうします?ポートマフィアと相談しますか?」

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